さやけし

明日だな

 今日の一句  さやけしや鎮座さしたるmacmini M2  浮浪雀

 昨日も夜中に起きて明け方近くまでnetflixを見てしまった。動画関係を少しやって、ディスプレイが来る場所を確保しないといけない。方丈記のように私の使える空間は0.85×1.7×2.1=3立方mしかない。そこで意図せず恒例の片付け業務に入る。ついでにいままで捨てられなかったものをバッサリやる。中を見るとまた元の場所にしまうことになるので、中を確認せずに捨てるのだ。あれ、あれはどこに行った、と探す羽目になってももうないものはないと覚悟して進めなければならない。

 新らしいM2 or M3 を買うとして、問題は今あるまだ使えるiMacの処理だ。5年前のものとはいえ、と当時最高のi7、quad coreモリー32Gをぶちこんである。もう死ぬまで購入することはない、と思い定めたつもりだったが。下取りに出すと17,000円である。24万ぐらいしたんだぞ。5年前だぞ。そこで別邸に持っていく、職場で使う、友人に譲る、とあれこれ考えた。ところが片付けてみると、あれワキに置けるじゃないか。なんだ2台置きか。身分不相応な。そういえば一時携帯とiphoneと2個待ちしていた時があったな。それほど使うことはないのに。なんて贅沢だ。

 ところがメールに、払い込みの処理ができないので対処してください、とAmazonから連絡が来た。メールに問い合わせ先が青字で浮かんでいる。危ない危ない、しかし注文してすぐ来たのでタイミングはあっている。早速ブラウザ立ち上げて、こちらからamazonのサイトにアクセスしてみると、やはりメールにあった内容と同じ状態である。するとこれはカード会社か。

 このカードはamazonのサービスポイントがつくというので始めたものだ。7月に別のカードで40万ほど騙し取られるところだったので、これはやばい、と廃棄することにした。さっそく手続きにかかる。ところがアカウントが入れない。パスワードを忘れているからだ。それでつい先日も諦めて利用内容をみなかったところだ。そこでアカウント作りから始める。それはやはり入れなくて変えたアカウントを忘れていたからだ。個人認証から始めてやっとアカウントを復活させ、そのアカウントで廃棄処理をした。さっそくamazonからカードが使えなくなったから新しいカードを登録しないとこの商品はキャンセルになります、とメールが来た。こういう時だけ速くて正確なのが新しい資本主義である。

 仕方ない、別のカード情報を入力してディスプレイは明日来ることになった。やれやれだ。そこへ携帯が鳴った。見覚えのない番号でもちろん登録していないので名前は出ない。予感がしたので出ると進学校の副校長だった。名乗られてもすぐにわからない。「今日はお休みですか。先生授業があるんですが」えっ、模試があるので授業はない、試験監督もないのでいく必要はない、と専任先生と再度確認したところである。「模試は3年性です」と副校長は言った。事情を話すと、「それじゃ、休暇処置をしていただくことになります」私は授業関係のことを言われると思ったが、服務関係のことを言われた。

 私が以前いた学校はすべて教員が休んだらその授業は代替教員が担当して生徒に課題などをやらせるか、どうしようもなければ自習にしていた。それでも担当教員は配置していた。自習時間に抜け出しや事故が起きるとまずいからだ。ところがここは、黒板に自習と書いておけば、それで何の問題もなく時間が過ぎるのだ。私は専任先生に、もし病気や事故で休むことがあれば引き出しの中に自習教材をいれておきます、と申し出たら、まあ特に要りません、とこの前言われた。そうか、ここは朝勉を教員のいない自習室で生徒たちが黙々と学習している学校だった。予備校にはこういう自習室があったがそれと同じである。

 昨年1年間だけやった公立中学では、やはり副校長から電話が来て、私はあわてて学校に駆けつけると、家庭科の先生が代講していた。これは学校に臨時時間割があってその知らせが時間講師の私に来なかったのだ。家庭科のおばさん先生は私をみると、舌打ちしたようだった。そしてそそくさと出ていった。

 今回も私はとっくに振替処理をしていたので「もうしてあります」というと副校長は「あ、お休み中失礼しました」と言って生徒のことは何も触れずに電話は終わった。振替処理に確認印を押しているのはこの副校長だからである。やはり管理職だけあって頭はすぐ回っている。私が今日休むのを当然知っていなければならない立場なのだ。

 生徒がちゃんとしていると物事がスムーズに回るので、みな気を抜いているんじゃないか。とまで思ったが本当のところはわからない。私は遠い目になった。私の50年に及ぶ教員生活は生徒と同僚の感情的な揉め事に突き回されて終わるところである。それはそういう揉め事のない学校に勤務しなかったからだ。東大に入る頭がありながら不如意な感情労働をして凌いできたのだ。

 感傷に浸る暇はない。久しぶりの大改造でいよいよ晩年も最終章に突入する気分である。ところで、昨夜にえいやっと決断してM2macminiの最低ランクを注文したが、それでよかったか。M3 iMacはやはり身分不相応、だって1Tにすると20万は裕に超える。だからそれは諦めるともうやけになってそれじゃ最低ランクの265G,メモリ8Gで2Tの外付けSSDつければいいだろう、とポチッとしてしまったのである。

 これでいけるだろう、と検索をかけてみると事はそれほど単純ではなかった。外付けSSDはみなケースが勝負だ、と書いてある。SSDをケースにいれてその相性次第で速さがきまる。ベンチマークという字が踊っているオタクの世界である。youtubeもみたが、みなさん嬉々として性能を誇っておられた。それに外付けSSDもやり方次第らしいのだ。この方法で成功した、と書いてあるのをみると成功例は少ないらしい。あーそうか5年前に最高スペックを投入しながら最後にfusionドライブなどという中途半端ななぐさみ規格にしたおかげで、アプリの起動が遅くなって使用に耐えない、というi7,32Gではありえない事態となって、今回買え替えることにしたのである。その5年前と同じ事なのか。やっちまったか。煩悩果てない私の時計はもう午前2時を回っているのだった。